【壺】Mac Pro 2013 (Late)今更買いました【ゴミ箱】

はじめに

Mac Pro 2013 Late

秋葉原のとあるジャンクショップで「幸せになれますよ」と囁かれて、つい買ってしまいました。
床に放置されていて、値段は17000円。

こんなに良い質感の壺が捨て値で売られているのを見て、思わず連れて帰ってきてしまいました。

MacPro 2013とは

伝説の壺型Macです。
巷では、高級ゴミ箱など散々な言われようでしたが、当時としては素晴らしいスペックで排熱構造などよく練られたワークステーションでした。
拡張性の問題などがありつつも、2019年まで販売されたロングセラーモデル。
当然、古すぎて最新のOSには対応していません。

なぜ伝説かというと、歴代Macの中でこのゴミ箱のような壺のようなMacは、1代限りだったからです。
Macとしては失敗作だったのかもしれませんが、どこからどう見ても美しい壺。
現代アートとしては成功しています。

性能について

Mac Pro 2013 Late スペック

パーツ 購入時スペック 換装後スペック 補足
CPU Intel Xeon E5-1620 v2
4コア8スレッド 3.7Ghz
PASSMARK:3277
Intel Xeon E5-2697 v2
12コア24スレッド 2.7Ghz
PASSMARK:7108
載せられる最上位スペックへ
MEM 12GB (DDR3)
4GB x 3
32GB (DDR3 ECC)
16GB x2
2slot余っている(よくない)
GPU FirePro D300 2GB FirePro D300 2GB 変わらず
SSD なし 1TB Nvme SSD アダプター噛ませて取りつけ

上記表の通り、購入直後にすぐ最上位モデルへ交換しています。
なにしろ、当時のCPUやメモリは捨て値で売られているのです。
買うほかない。

Intel Xeon E5-2697 v2 2800円 送料込
(ヤフオク、クーポン使用)
DDR3 ECC 16GB x 2 2300円 送料込
(ヤフオク、クーポン使用)

上記出費だけで、そこそこ使えるスペックのMacを生やすことができました。
とはいえ、M1Macの方がどう考えても通常使用には適しています。

2014年当時に4Kの動画を編集しようと考えたら、このMacが一番有力でした。
つまり、4Kの動画を編集する程度のパワーがあるのです。

これは、無理やり最新のMac OSを入れて、コア数が多いから仮想でWindowsも扱えるようにして、グラボが2台乗ってるからPhotoshop入れて…など、おもちゃとして使えるものとして仕上げないと…

メンテナンス必須

Mac Pro 2013 Late 埃 掃除

地獄

最大10年間放置された筐体です。
試しに分解してみると、想像を絶する汚さでした。

CPU交換ついでに、隅々まで分解して全ての埃を除去しました。

観賞用の壺、オブジェ以外の使用用途

中身が詰まっているので、ゴミ箱としては使えません。

暖房

当時のサーバー用CPU、TDP130wレベルを壺サイズに収めています。
しかも、GPUを2台も積んでいます。
排熱工率の問題はカバーしていますが、熱自体は発生していて、外に逃すしかありません。

壺の上から、暖かい風(真夏の室外機から出てくるような生ぬるい風)がどんどん出てきます。

(無理やり)最新OS Sequoiaを入れて遊ぶ

Mac Pro 2013 Late Open Code Legacy Patcher

「opencore legacy patcher」を使えば、最新のMacOSを動作させることができます。
最新OSが入ってしまえば、普通にパソコンとして使えます。

もちろん色々制約もありますが、通常利用であれば問題ないレベルの速度感で動作します。

ブログ執筆

当然、12コア24スレッドのCPUなので、ブログ執筆作業なども余裕で可能です。

正直、4コアの方がシングルスレッド性能が高く、
通常操作では高速だったきもしなくはないのですが、ロマンなので全てが許されます。

文章を打つ上では、全く問題ありません。

写真編集

ちょっともたつく時もありますが、普通に写真編集はできます。
Photoshop 2025は、プロセッサの命令セットが対応しておらずインストールできませんでしたが、
Photoshop 2024は普通に使えます。

驚いたのは、AIのノイズ補正にGPU(FirePro D300)が2台並行して使われていたこと。
第8世代のCore i5(ノート用)では、10分以上掛かるような処理でも、2分程度で完了しました。
まさか2013年のPCでAI補正ができるとは…

MacPro 2013 おすすめポイント

歴史を感じられる

Macが迷走していた頃の歴史の息吹を感じることができます。
なぜこの系状で、基盤を三角形にしてまで円柱にする必要があったのか…
冷却工率を考えたら確かにこの形もありではあるが…
それにしても、コスト掛かりすぎでは…

などなど、当時の事に思いを馳せる遺物としてはかなり好印象。
なお、当時はフルスペックで100万円近くしたようです。
100万の壺です。

壺としての質感が良すぎる

触り心地は陶器のよう。
ツルツルしていて、ズッシリ重い。(5kg)
動かすと、端子周辺がLEDで上品に光るギミック付き。

オブジェとしては、相当に質感が良いです。
なにせ、当時は最小構成で30万以上、最大構成で100万近くしたのですから、当然です。

普通に使える

一般的なWEBブラウジングやブログ執筆、写真の編集などで困ることはありません。
動画編集も、当時やっていた機種なので不可能ではないと思いますが、
趣味のレベルを逸脱するかたは最新のM4などを買った方が良いでしょう。

とにかく、古いPCではありますが、普通に使えます。

MacPro 2013 よくないポイント

最新OSに対応していない

「opencore legacy patcher」を使うなど、セットアップに少し手間が掛かる。
(一度構築すれば、しばらく何もしなくてOK)

消費電力が多い

CPUのスペックはM1シリーズと良い勝負なのに、消費電力が桁違いです。
排熱も多い。

冬はともかく、夏ばは大変だと思います。

情報が少ない

「opencore legacy patcher」を使って延命している方がそもそも限られるため、
通常よりもトラブルシューティングが難しくなることがある。

Vmware FusionでそのままWindows11が動かない

「Vmware Tools」を入れると、画面がブラックアウトして進まない。
Vmware用のディスプレイドライバがそのまま使えないらしい。

こちらのデバイスを削除したら起動できるようになりましたが、
画面がカクカクなのでローカルの仮想マシンに対してRDP接続することで、ギリギリ使えるレベルになりました。

最後に

サーバー用CPUであるXeon、当時の最高スペックを積んでいたとしても、それはあくまで10年前の話。
最新のOSを入れて、諸々作業して見ると若干もたつきが出てくるようなこともあります。

しかし、この壺のような造形、ジャンクショップの店主から言われた「幸せになれますよ」といった天啓。
正直、費用対効果はあまりよろしくないですが、ガジェットとしては100点満点なので、こうして面白いガジェットとともに暮らしていけるということは、すなわち幸せなのかもしれません。

皆様も、壺を買って幸せになってはいかがでしょうか。