EaseUS Data Recovery Wizard レビュー
はじめに
みなさん、ファイルを誤って消した事はありませんか? Kixiは半日掛けて作ったExcelファイルを喪失したり、写真データを誤って削除した事もありました。 Excelは2時間くらい掛けて再作成し、写真データは永遠に失われました。 幸い大事なデータを消した事は殆ど無いのですが… 例えば、
- カメコがスタジオ撮影したデータを誤って消してしまった場合…
- プロカメラマンが撮影したデータを消してしまった場合…
- ※1 CCleanerのバグでThunderbirdのメールデータが消失した場合…
など… ※1 実話。バックアップがあったので復元できましたが、一般ユーザーは隠しフォルダ内のバックアップなど取らないと思うので、致命的なバグだと思います… 今回は、EaseUS Softwareから、ファイル復元ソフト「EaseUS Data Recovery Wizard」のレビュー依頼を受けましたので、上記のように誤ってファイルを消してしまった場合を想定してレビューさせて頂きます。
EaseUSとは?
EaseUSは、ファイル管理系のソフトウェアをWIndows XP時代から出し続けた老舗ソフトウェアベンダー。 バックアップソフト「EaseUS Todo Backup」や、パーティション管理ソフト「EaseUS Partition Master」等は聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
EaseUS Data Recovery Wizard とは?
データ · リカバリ · ウィザード · プロフェショナル 本製品をご利用になることで、様々な原因によって消失してしまったデータを復元することが可能です。(原因の例:誤削除、フォーマットの誤操作、パーティションの紛失、システム障害、ウイルスによる攻撃) *こちらのBootable Mediaによるデータの復元も可能です。 →EaseUS Data Recovery Wizard 公式ページより。
ファイル復元ソフトです。 有償版がProfessional。無償版がFree。OSを起動させずに復元可能な「EaseUS Data Recovery Bootable Media」もあります。 Free版とPRO版の違いは、復元可能な容量のみ。 EaseUS Data Recovery Bootable Mediaは、7,344円です。 OSが起動しない、OSの起動ドライブに大事な復元ファイルが存在する場合は、こちらを選択しても良いかと思います。
EaseUS Data Recovery Wizardの使い方イメージ
①Free版で復元可能か確認する。 ②復元するファイルの容量が2GB以内なら、そのまま復元して終わり。 ③復元するファイルの容量が2GBを超える場合のみ、PRO版の購入を考える。 といった流れがオススメです。 時間が経てば経つほど復元率が下がる傾向にあるため、なるべく早めに復元に挑戦してみてください。
実使用 レビュー
以下の表の通りデータを作成し、実際に削除後復元してみました。
データ→ ↓ストレージ | 画像データ | 動画データ | 音声データ | その他 | |||||
jpg | ARW | CR2 | mov | mp4 | mp3 | m4a | システム ファイル | ||
HDD | |||||||||
SSD | |||||||||
SD カード | – | – | – |
※各枠で3ファイルずつ用意しています。 ※システムファイルは、C:/Windos/System32内の実データをコピーしてテストします。 ※SDカードはカメラで使用する想定なので、システムファイルや音声ファイルは省略しました。
ファイル復元テストの手順
HDD版の比較手順を残しておきます。 下記の通りの手順で、HDD、SSD、SDカードも下記と同様の手順でテストします。
1.保存したデータを削除します。
SHIFT + DELETEでゴミ箱を経由せずに完全に削除します。
2.EaseUS Data Recovery Wizardを起動します。
見事に削除したファイル全てを認識しています。
3.チェックを付けて、リカバリー開始
リカバリー先のフォルダは、別ドライブにしています。
4.リカバリー完了
17814ファイル、約5分弱で全てリカバリーが完了しました。
5.リカバリーファイル確認
リカバリーしたファイルが壊れていたら、本末転倒です。 なので、復元前のファイルと、復元後のファイルを比較してみます。 比較には、WinMargeを使用しました。 バイナリモードで比較するため、100%一致しない限り赤くなるはず…。
動画データ、画像データ、音声データはバイナリレベルで100%復元できています。 システムデータは、差分が出ていますね。 内容を見てみます。
展開してみると、3フォルダ、1ファイルに差分が出ています。 中にファイルが存在しないフォルダは、復元に失敗する事があるようです。 復元に失敗したファイルを見てみます。
中を見てみると、ログファイルっぽいですね。 こちらが復元できなかった理由は不明です。 表を更新すると、下記のようになります。
データ | 画像データ | 動画データ | 音声データ | その他 | |||||
jpg | ARW | CR2 | mov | mp4 | mp3 | m4a | システム ファイル | ||
HDD 復元率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | File:17791/17792 Folder:1,739/1,742 99.99% |
システムファイルは差し替えても動くとは思いますが、システムファイルに欠損が出た場合は素直に再インストールした方が良いですね。 また、「sfc /scannow」などのコマンドで修復も可能なので、「EaseUS Data Recovery Wizard」でわざわざ修復しなくてもOSの機能で修復する事ができます。
ファイル復元結果
HDD
データ | 画像データ | 動画データ | 音声データ | その他 | |||||
jpg | ARW | CR2 | mov | mp4 | mp3 | m4a | システム ファイル | ||
HDD 復元率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | File:17791/17792 Folder:1,739/1,742 99.99% |
かなりの復元率です。 ほぼ100%と言っても差し支えないかと思います。
SSD
かなり残念な結果になりました。 バイナリレベルでも異なり、実際に開こうとしても、ファイルが壊れている旨警告が出ます。 復元率は0%… SSDに置いているファイルの修復には、個人的には使わないと思います。 SSDとの相性もあるのでしょうか…? クイックスキャンまでしか終わっていない段階で復元したためかもしれません。 追記 数日後、SSDが壊れました… BIOSからも認識しない状態になり、もしかしたらそもそも半導体メモリ自体に不具合があった可能性があります。 新SSDが届き次第追記したいと思います。
SDカード
なぜかフォルダ名やファイル名が文字化けしていましたが、ファイルの復元自体は成功しました。
比較した結果、全て同一となりました。
データ | 画像データ | 動画データ | 音声データ | その他 | |||||
jpg | ARW | CR2 | mov | mp4 | mp3 | m4a | システム ファイル | ||
SDカード 復元率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | – | – | – |
まとめ
SSDは残念な結果となりましたが、そもそも壊れていた疑惑もあるため、修理(交換?)後に改めて確認したいと思います。 HDD、SDカード共に100%に近いの復元率を誇っているため、信頼度は高いはず。 SSDの復元が確認できていないので、手放しではオススメできませんが、少なくともHDDやSDカードに保存したデータを誤って削除した場合には、有用な手段の一つではないかと思います。
2GBまではFree版で復元でき、それ以降は有償版になります。
大きなファイルを復元したいときは、 ・当ソフトの価格に見合うファイルか? ・試用版で、復元対象ファイルが見えているか? などを確認するように。 それでは!