PENTAX MX を手に入れた話。

PENTAX MXとは?

カメラです。 しかし、最近のカメラではありません。
40年前の機械式のカメラです。

ゼンマイやバネなどを動力源にして、電気を使わずにシャッターが切れる、所謂アンティークカメラになります。

もちろんフィルムカメラなのですが、フィルムの巻き上げや、撮影時のシャッター速度や絞り、ピント合わせまで、全てがマニュアル操作
唯一露出計だけデジタルで付いています。 教えてくれるのは、露出が高い低い丁度いいかのみ。
撮影者の腕が純粋に問われます。

ご尊顔

PENTAX MX

PENTAX MXが人気の理由。
それは、その高級感からでしょう。

触ってみた感想

発売から40年経っても、状態の良いものだと2万円以上する事も多いPENTAX MX。
その人気の理由を考察します。

外観、デザイン

全身真鍮製のコンパクトにまとめられたボディ。
その小ささから、ズッシリと重い印象を持ちますが、本体の重さはたったの495グラム。

PENTAX MX

PENTAX MX

一眼レフでありながら、驚くほどコンパクトに纏まっています。
当時は、オリンパスと小型、軽量化を競い合っていた時代。 内部の構造は想像もつきませんね。

機能

これは、機能が充実しているとかそういった話ではありません。
必要最低限の機能のみ搭載している所に、シンプルで潔い設計思想が見え隠れします。

例えば、唯一デジタルな機能である露出計。
これは、無いと別で露出計を持つか、勘で撮影する事になります。 (しかもフィルムカメラなので、露出が正しいかは現像しないと分からない)
露出計が付いているのは、非常に大きいですね。 (他の古いカメラには付いていない機種も結構あります)

他、オートと名の付く機能は一切無く、全てマニュアル操作にて撮影する事になります。

露出計も、適正露出を教えてくれるだけで、それに伴ってカメラが補正してくれたりはしません。
操作可能なのは、
・シャッター速度
・絞り(レンズ側)
・ISO設定(露出計連動のため)
・タイマー(ゼンマイ音がcool)
・プレビュー機能(絞り)

といった所でしょうか。

シャッター速度

個人的には、シャッター速度が変わる所に感動しました。
ゼンマイと歯車、ゴムやバネなんかの組み合わせのハズなのですが、1秒から1/1000秒までシャッター速度を変更できます。

1秒なんかにすると、ジーと機械音がしてからシャッターが切れて、その精度に驚きました。

PENTAX MX

ここで設定します。 銀ボタンを押しながら回すと、露出計と連動するISOの感度を設定できます。
フィルム単位で設定する事になりますね。

この角度からだと見えないのですが、シャッターボタンの向こう側にシャッターカウンタがあります。
フィルム室を開けると、自動で初期化される仕組みになっています。 (どうなってんだ…)

巻き上げクランク

PENTAX MX

左側に見えるのが、巻き上げクランク?です。 撮影後、このノブでフィルムをケースの中に巻き取ります。
ノブを持ち上げるとフィルムのロック解除、更にもう一段持ち上げると、フィルム室が開きます。

フィルム室

PENTAX MX フィルム室

綺麗すぎて40年前のモノとは思えない。

ファインダー

PENTAX MX ファインダー

頑張って撮りました。
右に見えるオレンジ色のが露出計。
5段階表示で、画像は「露出が一段上」である事を表しています。

シャッター速度はその横。 今1/30秒ですが、一段上なので、1/60にすれば適正露出に近づきます。
上部に見える、1.7の数字が絞りです

絞り表示は非常に面白い構造になっていました。
直接ファインダー内に、レンズに印字されている値が投影されています。
レンズの絞りダイアルを回したら、当然この値も変化します。
こちらで露出を調整する事もできます。
上記画像だったら、絞りを一段上げれば適正に近づきます。
その他、これらの値は露出以外にも被写界深度や手ブレの有無にも影響してくるので、考えて調整する必要があります。

レンズの互換性

PENTAX MX

PENTAXは半世紀近くレンズマウント方式を変更していない。
Kマウントのレンズは、基本的に嵌めれば嵌ってしまう。
(APSCサイズのDAレンズだと殆どがケラれると思われます)

フルサイズに対応しているレンズだと、最近のものでも使用可能。

しかし、ここで気にかけて欲しいのは反対の互換性。
つまりは、PENTAX MX世代のレンズが最新の一眼レフに付く事が非常に大きなメリット足りえるのです。

オールドレンズ

そう呼ばれるこの世代のレンズのメリットは、
・味のある写真が撮れる。
・明るく、ボケやすいレンズが多い。
・安い
などなど

PENTAX K-5 iis

PENTAX K-5 iis に PENTAX-M 50mm f1.7を装着。 年齢差 約40年。

PENTAX-M 50mm F1.7で撮影した写真

PENTAX K-5 iis PENTAX-M 50mm f1.7

F1.7開放の単焦点で撮ると、背景はこんなに美しくボケます。

PENTAX-M 50mm F1.7 シャルロッテ

非常に味のある写真も手軽に撮れます。
ちなみに、この記事に使っている写真は一切編集していません。 全て撮って出しです。

最後に

格安で手に入れたのは良かったのですが、フィルムが高い…。
下手したらPENTAX MX本体よりもフィルム10本入りのパックの方が高いです。

PENTAX K-5 iis のサブとして、本当に気に入った光景を切り取るような使い方をしようと思います。
誰かフィルムください。

それでは!